ソーシャルETFのSFYFとSoFiについて

以前ETFのスクリーニングをしていたときに、SFYFなるETFとその運用会社であるSoFiのことを知りました。

タイトルで少しネタバレしていますが、正直ETFも社名も名前しか知らないので、ちょっと調べてみたいと思います。
ちなみに先に断っておくと、2020年9月20日時点でSoFi ETFを取り扱っている国内証券会社はなさそうだったので、基本的に趣味の調査です。予めご了承ください。

FinTechスタートアップ企業SoFi

SoFi公式サイト

まずはじめに会社のほうからいきます。

SoFi(ソーファイと読むそうです)は米国のFinTech系スタートアップ企業で、資産運用が本業ではなく、ソーシャルレンディングなど、社会とお金を繋ぐような事業を主軸としています。
実際に、正式名称としてはSocial Financeという社名があるのですが、これだと一般名詞的な聞こえ方をするため、通称であるSoFiで呼ばれることが多いようです。

SoFi’s mission

こういったスタートアップ企業をみるときは、事業展開の途中にあって全体像がピンとこないことが多いため、こういった企業としてのミッションやバリュー、ゴールといったワードに注目しています。

SoFiでは SoFi’s mission として以下が掲げられていたので、それを見てみます。

SoFi’s mission is to help people reach financial independence to realize their ambitions.

And financial independence doesn’t just mean being rich—it means getting to a point where your money works for the life you want to live.

Everything we do is geared toward helping our members get their money right. We’re constantly innovating and building ways to give our members what they need to make that happen.

訳の難しいところもありましたが、ちょっと日本語化してみます。

SoFiの使命は人々の経済的自立を支え、望みを叶える手助けをすることです

そして “経済的に自立する” ことはただ単に金銭的な豊かさを得ることだけではなく、あなた自身が生きたいと思う人生を生きられるようにすることを意味します。

私たちの活動は、私たちの仲間が正しくお金を得るためのものです。私たちは仲間が望みを叶えていけるように必要な手段を作り上げ、革新を起こし続けます。

ここで注目すべきなのは、他の箇所でもたびたび出てくる「get their money right」という表現です。
私はこの部分を「正しくお金を得る」と受け取りましたが、ここの「正しさ」というものが、SoFiという会社を知るカギとなりそうです。

SoFiのこれまで

軽くSoFiの沿革についてみてみます。

  • 2011年:SoFi設立
  • 2012年:学生ローン事業開始
  • 2014年:住宅ローン事業開始
  • 2015年:個人ローン事業開始、10億ドルの資金調達
  • 2016年:従業員向け福利厚生プログラム、SoFi at Workを開始
  • 2019年:SoFi Money事業、SoFi Invest事業を開始
  • 2020年:100万会員突破

改めて、現在のプロダクトを俯瞰すると以下のようになっています。

SoFi Products(SoFi) より

これを見ても祖業としてはローン事業にあるようですが、その他事業も順調に展開しているようですね。

なお、今回調べる対象になるETFなどはSoFi Invest事業に含まれるようです。

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ソーシャルETF SFYF

さて、続いてはETFを調べていきます。

今回調べていきたいSFYFというETFは以下の記事において、「AAPL/TSLA/ZMを含むETFはあるのか?」ということで調べたものです。

様々な銘柄を含むETFですから、3銘柄合計で高々15%程度だろうと思っていたところ、このSFYFはなんと20%を超える組み入れとなっていて驚いたことを覚えています。

SFYFとは

それでは、SFYFの正体に迫っていきます。

SFYFは正式名をSoFi 50 ETFというようです。要するに50銘柄からなるETFだとか。経費率は0.29%で、アクティブETFだと思えばそれなりですが、S&P500ETFが0.1%を切っていることを思えば高コストに見えますね。
以下、ファンドの概要です。

Diversify your investments with the SoFi 50 exchange-traded fund (ETF). SFYF is composed of the top 50 most widely held U.S. listed stocks on SoFi Invest. Stocks are rebalanced monthly and weighted according to how much money members have invested in each company at the end of every month. The SoFi 50 ETF seeks to track the performance, before fees and expenses, of the SoFi Social 50 Index.

SFYF Fund Summary より

ちょっと読みづらいのでおおまかに訳してみます。

SoFi 50 ETF(SFYF)はあなたの投資を多様化します。SFYFはSoFiにおいて取引される米国株式の上位50によって構成されます。株式は毎月リバランスされるととともに、SoFi会員がそれらの企業に投資した金額に応じて加重されます。SFYFは手数料や経費を控除する前のパフォーマンスが、SoFi Social 50インデックスに連動することを目指します。

これはなかなか面白い組成です。
要するに「直近1ヶ月で最も人気だった株式に投資する」という方針です。
なにかの経済的事実に基づいて投資方針を決めているわけではなく、「その時点での人気度」で決めているあたり、確かにこれをソーシャルETFと呼ぶのもわかる気がします。

AAPL/TSLA/ZMに20%以上が偏るような組成方針が一体何だと気になっていたところですが、確かにこれらの銘柄は直近で特に人気の3銘柄と言っていいでしょう。イメージしていたような組成方針ではありませんが、ある意味納得です。

実際に最新の組入情報から2020年9月21日付けの組入トップ10を見ると、いかにもという感じがします。

ティッカー社名組入比率時価総額
1TSLATESLA INC9.54%4,119億ドル
2AMZNAMAZON COM INC9.18%14,800億ドル
3AAPLAPPLE INC8.89%18,523億ドル
4MSFTMICROSOFT CORP6.68%15,164億ドル
5DISDISNEY WALT CO4.61%2,324億ドル
6DALDELTA AIR LINES INC DEL4.37%209億ドル
7BABOEING CO3.78%909億ドル
8ZMZOOM VIDEO COMMUNICATIONS INC CL A3.51%1,247億ドル
9NVDANVIDIA CORPORATION3.14%3,011億ドル
10GOOGLALPHABET INC2.36%9,897億ドル
56.06%7,020億ドル

この手の組入上位でディズニーが出てくるのはなんだか新鮮ですね。
というかディズニーって現在個別株としてここまで人気だったんですね。巣ごもり需要によるコンテンツ収益に期待が集まっているのでしょうか。

また、デルタ航空とボーイングが入っているのもコロナ後を見据えての思惑が見えて少し面白いです。

SFYFのチャート

ではそんなSFYFはどんな値動きをしているのでしょうか。
ファンドの設定が2019年5月8日なのでまだ1年そこそこしかありませんが、S&P500とQQQと並べてみてみます。

SFYF設定来チャート(TradingView

うーん、なんだかそこまで画期的な感じではないですね。

全般的にS&P500に劣後していたところ、コロナ後の追い上げでほぼ追いついてはいますが、なかなか微妙なところです。
少なくともQQQにはこの期間で完全に劣っていますね。

今一度組成方針を考えてみれば、全体で見てもランキング上位にくるほど人気となった株を翌月買いに行くような戦略であるため、どうしても株を高値掴みしやすいのかもしれません。
基本的な考え方は「トレンドに乗る」方法なのかもしれませんが、トップ50という銘柄数がどうしても出遅れ感に繋がっていそうです。

また、組成方針で気になっていたのが「毎月入れ替える」「手数料控除前でのパフォーマンス追従」という点で、50銘柄を毎月評価する分、結構な手数料がかかっているのではないかと推測します。

その他のSoFi ETF

せっかくなので他のSoFi ETFについてもざっと調べてみます。

SFYFを含め、現在4つのSoFi ETFがあるようです。残りの3つをみてみましょう。

SoFi Select 500(SFY)

1つ目はSoFi ETFの中で最もスタンダードだと思われるSoFi Select 500(SFY)です。経費率0.19%ですが、立ち上げ期の現在は経費率0%で運用されています。
先に組入上位をみてしまいましょう。

ティッカー社名組入比率時価総額
1AMZNAMAZON COM INC4.58%14,800億ドル
2BRK/BBERKSHIRE HATHAWAY INC DEL4.48%5,222億ドル
3AAPLAPPLE INC4.40%18,523億ドル
4MSFTMICROSOFT CORP4.22%15,164億ドル
5TSLATESLA INC1.89%4,119億ドル
6CRMSALESFORCE COM INC1.60%2,209億ドル
7WMTWALMART INC1.51%3,833億ドル
8FBFACEBOOK INC1.49%7,194億ドル
9PGPROCTER AND GAMBLE CO1.31%3,419億ドル
10GOOGALPHABET INC1.25%9,897億ドル
26.73%8,438億ドル

これを見て分かる通り、基本的には大型株で構成されるETFであることがわかります。
しかし、組入比率と時価総額を見比べてみると、必ずしも順位が一致していないため、S&P500のような単純な時価総額加重になっているわけではなさそうですね。

実際に組成方針の中でもGrowth-Focusedとされているため、基本的には大型グロース株ETFということなのでしょう。

また、顧客から見た特徴として1株あたりの価格が低いことも特徴の1つであるようです。
最新の価格が$12.18であるため、少額からの投資がしやすく、かつ実体はETFであるためリスクを抑制した投資ができるというわけです。
小さい額でも、可能な限りリスクを抑えた形で投資できる手段を提供しているという点で、これがSoFiの目指す「正しくお金を得る」方法ということなのかもしれません。

SoFi Next 500(SFYX)

続いてSoFi Next 500(SFYX)です。こちらも経費率0.19%で、現在0%運用中です。
それではまず組入上位から。

ティッカー社名組入比率時価総額
1PTCPTC INC1.66%99億ドル
2NBIXNEUROCRINE BIOSCIENCES INC1.22%94億ドル
3HZNPHORIZON THERAPEUTICS PUB LTD SHS1.17%168億ドル
4SWISOLARWINDS CORP1.17%60億ドル
5AVTRAVANTOR INC1.07%128億ドル
6APOAPOLLO GLOBAL MGMT INC1.05%197億ドル
7AAXNAXON ENTERPRISE INC1.03%52億ドル
8CHGGCHEGG INC0.98%79億ドル
9LITELUMENTUM HLDGS INC0.93%53億ドル
10ZNGAZYNGA INC0.88%90億ドル
11.06%102億ドル

この並びでなんとなく分かると思いますが、こちらは中型グロース株ETFとなっています。

こちらも現在価格で$9.98となっており、手を付けやすい価格です。

SoFi Gig Economy(GIGE)

最後に、SoFi Gig Economy(GIGE)です。これは経費率0.59%で割引なく運用されています。
組入上位はこちら。

ティッカー社名組入比率時価総額
1SQSQUARE INC3.16%643億ドル
2FVRRFIVERR INTL LTD3.05%43億ドル
3UPWKUPWORK INC3.04%18億ドル
4TCEHYTENCENT HLDGS LTD2.94%50,309億ドル
5TWTRTWITTER INC2.93%317億ドル
6BABAALIBABA GROUP HLDG LTD2.84%58,963億ドル
7BIDUBAIDU INC2.84%429億ドル
8UBERUBER TECHNOLOGIES INC2.83%650億ドル
9SHOPSHOPIFY INC2.82%1,082億ドル
10PYPLPAYPAL HLDGS INC2.80%2,065億ドル
29.25%11,452億ドル

こちらは見たところ、大型とも小型ともいかないものが並んでおり、かといってGAFAのような大型がいるわけでもありません。

ファンドの組成方針としては「Composed of companies that have transformed the way people access goods, services, and work」と触れられており、「ヒトとモノ、サービス、仕事との関係性を変えていく企業」に投資するETFのようです。
その方針であってもAmazonやGoogleがいてもよさそうなものですが、どうやら入らないようです。

こちらは現在値で$26.59となっており、先の2つよりは少し買いにくいかな?というところです。
経費率のことからも、スタンダードなETFというよりテーマ型のアクティブETFという感じでしょうか。

各ETFの価格推移

では最後に、SoFi ETFの設定来チャートをみてみましょう。

SoFi ETFの設定来チャート(TradingView

結局残りの3ETFを加えてもQQQが最もパフォーマンスに優れる点に変わりはありませんでした。
しかし、コロナ前で一人負けに近かったGIGEがコロナ後で一気に値を上げたのは、まさにそのテーマ性によるものだということでしょうね。

また、SFYに目を向けると、概ねS&P500をわずかに上回る値動きとなっており、割といい選択肢になってるんじゃないかと感じました。
正確には配当込みのトータルリターンで見ないといけませんし、今は経費率0%でやっているので、フタを開けたら結局S&P500が優秀って可能性も十分にありそうです。

そして期待のSFYXですが、やはり他に比べて小型株で構成されていることもあり、コロナ後の立ち直りに苦戦しているようです。このあたりは小~中型グロース株投資としては仕方ないですね。

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まとめ

今回は以前のETF調査で偶然見つけた謎のETF、SFYFについて調べてみました。

SFYFの運用会社であるSoFiは他にも気になる金融サービスを提供しており、日本でいうKyashやイギリスでいうRevolutのようなSoFi Moneyというサービスも展開しているようでした。

また、SoFiそのもののミッションである「お金を正しく手に入れる」という理念もなかなか興味深く、手数料フリーの世界観や低価格ETFをリリースしていることから、FinTechを利用した「少額からの資産形成」を支援する企業であると感じました。
成績としてはあまり振るわない存在でしたが、ソーシャルETFの概念も中々面白く、今後さらに面白いプロダクトが期待できそうな気がしました。

SoFiを調べる過程で、ここもソフトバンクに出資されている企業の1つだそうなので、もう少し見てみたいなと思いました。それはまた別の記事にしてみたいと思います。