始める前に考えておきたい、投資の向き合い方

マネープランニング家計の見直しを行った上で、自分の人生をより豊かなものとするために投資を活用していくことは有効です。

しかし、そんな投資も万能なものではなく、一定のリスクを背負って行うものであるため、考え方を整理して投資に臨みましょう。

なぜ投資をするのか

まず大前提ですが、投資とはお金を増やす効果が期待できる一方で、反対にお金を減らすリスクも同様に抱えています。

すなわち、投資をするということは「減る危険性を抱えてでも、増やしていきたい」というスタンスが前提にあることになりますが、そうまでしてやりたいことをはっきり心に描いておくことは重要です。

マネープランニングにおいても紹介した記事ですが、できる限り投資より先に投資の目的を自分の中で整理しておきましょう。

というのも、投資に向き合う中で利益を得る場面があれば、損益を抱える場面もある中で、胸に期するものがなければ損益にショックを受けて投資を諦めてしまう危険性があるためです。

簡単に諦めないためにも、そしてぼんやりした目標に向かって必要以上のリスクを抱えることがないためにも、投資をする目的や理由、そして具体的な目標をはっきり意識しておくことが重要です。

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何に投資をしていくか

投資を考える場合、まず考えるのはどういった手段で投資を行っていくかという点です。
個別株や投資信託など、株式資産で増やそうとする場合もあれば、不動産やFXなんていう手段を選ぶこともできます。

要するにお金儲けの方法を模索するわけですが、「お金儲け」という軸をもってしまうことで、知らぬ間に

  • 投資
  • 投機
  • ギャンブル

の見分けがつかず、思わぬリスクと同居するはめになる場合もあります。

そうしたことにならないためにも、自分の求める成果を意識して手段レベルで少し考えてみましょう。

もし、特に手段に対してのこだわりがないというのであれば、まずは投資信託での積立投資にチャレンジするのがよいでしょう。
株式は長期的に成長してきた代表的な資産であり、近年は投資信託商品の充実やネット証券の躍進によって手間なく資産形成に取り組むことができるようになりました。

手間のなさという点で投資信託の積立によるインデックス投資に勝るものはそうそうないと思いますので、検討の価値は十分にあるでしょう。

投資のスタンス

投資の手段それ自体は人によって様々ですが、ポイントとなるのは

  • 必要リターン
  • リスク許容度
  • 投資にかける労力

あたりが大きいでしょう。

例えば、長期的な年利換算10%以上を目指したいとすれば、それはもはやインデックス投資では不可能な水準ですが、個別株やFXでそうした水準を目指す場合、相応なリスクを許容する必要があります。

また、そういったリスクは入念な分析や広く迅速な情報収集などで抑えることができますが、これまた相当な労力を要するものです。

そうした観点から、自分の投資スタンスを見定め、実現可能な範囲内で目標やライフプランを考えていくことになるでしょう。

合理的にリスクを抑制する観点では、ポートフォリオ理論を活かした複数の資産クラスで構成する分散投資が有効ですが、WealthNaviはそれを学ぶにはいいツールとなっています。

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楽観しすぎずに投資を続けていく

投資にはどうしても運、中でもタイミングの良し悪しが成績に大きく影響します。

2020年はコロナショックで株式はじめ様々な資産価格が暴落しましたが、投資のスキルがあればあれを避けられたかというと中々難しいところです。あの時期を振り返る中で兆候があったとかなかったとか議論されることがありますが、結果論としか言えない部分も多々ありますので、投資をする上では「損をすることも十分あり得る」と理解し、備えておくことがよいでしょう。

私は主に積立でのインデックス投資を行っていますが、過去データを参考にする限り、十分な期間を前提とすればかなりの場合で投資の利益を見込むことができると考えています。

しかし、そうした前提においても最も恐ろしいのは、途中で諦めてしまうことであり、途中で諦めるタイミングこそが最も損失が大きくなりやすいタイミングである可能性が高いです。

そうした最悪のケースを掴まないためにも、楽観しすぎずある程度のリスクを想定しながら、できる限り長きにわたって投資を続けていくことが得策だと考えます。

参考記事

その他、投資の考え方に関連する参考記事です。

目的について

投資にあたってはその理由が大事だという話をしましたが、その理由である目的をどのように理解して、行動に繋げていくかという話です。

目的と目標、戦略と戦術はそれぞれ混同されやすい話ではあるので、そのあたりを整理しています。

プロスペクト理論

経済は定期的に世界的な混乱に晒されることから、誰しもが避けようなく損失を抱えてしまうことがあります。人間は生来、利益よりも損益を強く重く捉えてしまうため、平時において軽く考えていたことが、その状況に直面したとき予想もしない精神状態になるという話はよく聞かれます。

そうした「損に敏感である」ことを心理学のプロスペクト理論が説明していますので、「人間とはそういうものである」と知っておくと、混乱期における精神安定に一役買えるかもしれません。

一括投資に対する誤解

投資のリスクを抑える話で有名なポートフォリオ理論ですが、併せてよく言われる話にドルコスト平均法があります。

手元の資金を徐々に投入していこうという話ではありますが、リスク許容度の話と機会損失の話が上手く組み込まれず、結果的に誤解されているケースがあるので参考にしてみてください。

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