Google AdSense申請の前に確認したい審査のポイント

ブログなどのコンテンツを収益化したい場合、有力な手段になるのがGoogle AdSenseによる広告掲載です。

しかし、AdSenseの利用は申請による許可制となっていますので、当サイトでの実績も踏まえつつ、審査のポイントをまとめたいと思います。

簡単なまとめ

先に審査ポイントをまとめておきます。
個人的な見解ではありますが、全体を通じて「信頼できるパートナーであるか」が重視されていると感じましたので、「Googleから見て何が見えているようにすべきか?」という観点がポイントになってくると思います。

ポイントの考え方は大まかに2つ、やっているか/やっていないかで明確な判断が可能な外形的なポイントと、どのようなコンテンツを提供しているかという品質面のポイントがあります。

AdSense申請にあたっては、以下のポイントが対応されているかチェックしてみてください。

外形的なポイント
  • 独自ドメインの取得
  • 問い合わせフォームの設置
  • プライバシーポリシーの明記
  • サイト運営者情報の記載

総じて、サイト運営の透明性を示すようなものです。

当サイトでも プライバシーポリシー問い合わせフォームこのサイトについて などでこの点を意識しています。

品質面のポイント
  • AdSenseプログラムポリシーの遵守
  • 信頼性の高いコンテンツ提供
  • ユーザが使いやすいコンテンツの提供

Google公式としても明確に打ち出している AdSenseプログラムポリシー の遵守は必須です。大まかな主旨としては「違法」「不正」「不適切」などネガティブな要素をコンテンツに含まないことですので、一読した上でそのようなコンテンツがないかどうかチェックする必要があります。また、Googleとしてはそれをチェックする必要がありますので、記事数としてはおよそ10記事、最低5記事が必要だと考えておくとよいでしょう。

信頼性や使いやすさの観点では、単に自分の考えを雑に書き殴るのではなく、正しく読みやすい内容やレイアウトで、かつ情報ソースなどを明らかにすることが大事になっていそうです。

単なるチェックリストとしては上記で問題ないかと思いますが、以下でより詳しく述べていきます。

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Googleとしての要件

AdSense申請のポイントはよく言われているように非公開です。

しかし、全くの非公開というわけではないので、まずはGoogleの公式情報を確認してみましょう。

お申込み時の条件

Googleが公開しているAdSense利用要件は以下の観点で公開されています。

  1. サイトのページが AdSense のご利用条件を満たしているか確認する
  2. AdSenseの資格要件
  3. AdSenseで使用するサイトの所有権
  4. AdSenseアカウントの年齢要件
  5. AdSenseと他の広告ネットワークを併用する
  6. 複数のAdSenseアカウントが必要な場合

これらの中に審査の条件やポイントが書かれているため、まずは最新情報としてこちらを確認しましょう。

なお、この考え方は適宜変更される可能性があるため、正確な記載はリンク先を必ず確認するようにしてください。このページは2021年1月時点の記載に基づいています。

AdSenseのご利用条件

このページで書かれているのは、「GoogleがAdSenseで広告を配信したいと思うコンテンツ」の考え方です。

見出しを抜き出してみると、

  • 他にはない魅力があるか
  • 操作が簡単でわかりやすくなっているか
  • ユーザの興味を引く独自のコンテンツがあるか

の3点が記載されています。定量的な記載ではないため、これで審査ポイントがはっきりするわけではありませんが、審査時のコンテンツをどの程度の品質に保つべきかということがわかります。

GoogleはAdSenseの利用許可を申請に基づいて審査するため、少なくとも上記に対する判断材料が必要になります。
そのため、1コンテンツも作成していない状態では到底申請が通るわけではないですが、「十分な数があること」のような条件ではないため、必ずしも数は重要ではないということがわかります。

一般的には5-10記事程度でも申請が通るそうですので、上の3点について考えられるレベルをまず目指すのがよいでしょう。
ちなみに、詳しくは後述しますがこのサイトは10記事弱で申請を行い、問題なく合格することができました。

総じて、やはりコンテンツの品質が大事ということですが、審査するGoogle側に内部的な品質基準はあるはずです。
そのことを考えれば「他にはない魅力」「独自のコンテンツ」として「コピペコンテンツになっていないか」とか、「簡単でわかりやすく」として「日本語的におかしくなっていないか」などは、定量的な内部基準があるのかもしれません。

最も重要なのは、専門家の知識、何かを改善する方法、クチコミ情報、自分のアイデアなど、他にはない独自のコンテンツを掲載することです。Google サイト運営者 / パブリッシャー向けポリシーで定められているように、AdSense 広告は、独自性がないコンテンツや著作権で保護されたコンテンツを掲載しているサイトには表示できません。そのようなコンテンツへの広告掲載はポリシー違反に該当するため、広告配信の停止やアカウントの閉鎖につながる場合もあります。

サイトのページが AdSense のご利用条件を満たしているか確認する(AdSenseヘルプ) より

次のような手法を使用しないようにします。
(略)
・オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成
・無断複製されなコンテンツ
・ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み

ウェブマスター向けガイドライン(Google検索セントラル) より

よりこの観点に近づける方法として、Googleから以下のような記事が公開されています。

AdSenseの資格要件

先ほどのご利用条件は不明確なところもありましたが、こちらの資格要件はある程度はっきりしているため、確認しておくのがよいでしょう。特に、AdSense掲載に適合するサイトの条件として AdSenseプログラムポリシー への準拠がありますので、その部分を特に確認してください。

AdSenseプログラムポリシーでは、以下の観点で「AdSense表示コンテンツで守るべきこと」を主に定めています。観点と内容を簡単に記載します。

広告の表示方式について
  • 無効なクリックとインプレッションを行わないこと
    • 自らクリックすることや、クリックツールを利用しないこと
    • 基本的にはAdSense側も不正を検知し、収益の無効化や配信の停止に繋がります
  • クリックや表示を促さないこと
    • 「クリックお願いします!」とユーザに促すことはポリシー違反になります
  • トラフィックソースに偏りがないこと
    • SNS(Social)からの流入が極端に多い場合など、「組織的/意図的にクリックされている」とみなされることがあります
コンテンツの内容について
  • コンテンツポリシーに準拠すること
  • 不正なコンテンツではないこと
    • 意図的にユーザの誤解を招き、不利益をもたらすような 不正なコンテンツ である場合
    • 作成者の身分や実績を偽って作成されたコンテンツも不正なコンテンツにあたります
広告の動作について
  • 広告の動作を不正に改変しないこと
    • jsファイルの中身など、コードレベルで改変を行わないこと
  • サイトの操作性に問題がないこと
    • 「次へ」ボタンにAdSense広告をリンクさせるなど、広告をクリックする意図の無いユーザにクリックをさせることは不適切な配置にあたります
    • 詳しい考え方は 広告のプレースメントに関するポリシー に記載されています
プライバシーへの配慮
  • プライバシーポリシーにAdSenseの利用を明記すること
    • プログラムポリシーにおいて 必須コンテンツ とされる、プライバシーポリシーやCookie利用について表明する必要があります
    • Googleが良しとするプライバシーポリシーの雛形はありませんが、雛形は多く公開されていますので、必須コンテンツの内容を踏まえつつ自サイトのプライバシーポリシーを作成するとよいでしょう

意図してこれらに抵触することはないと思いますが、

  • SNSでクリックお願いします!」と言ってしまうこと
  • コンテンツの中で(内容として不自然でなくても)暴力的な言葉を使ってしまうこと

など、意図せず触れてしまうことはあると思いますので、改めて知っておくと自衛の助けになると思います。

その他の条件

その他、外形的な要件としては以下のようなものがあります。

当たり前の話ですが、AdSenseの利用は自身のサイトで行う必要があります。
Yahooのサイトで勝手に申し込んで収益を得られたら最高ですが、そんなことができないようにページのヘッダーにAdSenseが指定したコードを埋め込ませることで申請者のサイト所有権を確認しています。

ほとんど問題ないとは思いますが、あとは年齢の要件であったり、YouTubeなど他の収益ソースを持っている場合には追加の条件が必要になります。

審査ポイントだと思われるもの

一般に、AdSense審査のポイントを調べるとき、「お問い合わせフォームの設置」とかがよく言われますが、実は先ほどのGoogleが公開する要件にそういった内容は直接的には含まれていません。

ですが、実例を踏まえるとほとんど必須であろうことはいくつかありますので、私がこのサイトの申請にあたって行ったことを含めてポイントをまとめます。

AdSense審査のポイント

AdSense審査においてポイントとなるものは以下のようなものだと言われています。

外形的なポイント

まずは、「これをやったほうがよい」という外形的なポイントです。

  • 独自ドメイン
  • 問い合わせフォームの設置
  • プライバシーポリシーの明記
  • サイト運営者情報の記載

以前ははてなブログのようなサブドメインでも申請が可能でしたが、現在はメインドメインでのみ初回申請が行えるようです。
なお、あるサイトでの申請が通ったアカウントであれば、第2サイトとしてサブドメインでの申請が可能になります。

問い合わせフォームやプライバシーポリシー、サイト運営者情報については、サイト運営者の信頼性を担保する観点で推奨される場合が多いようです。以下のようなサンプルを参考に作成するとよいでしょう。

Googleとしても違法ビジネスへの加担をかなり気にしているようですので、公明正大なサイト運営をアピールすることがポイントだということでしょう。

品質面のポイント

あとは、サイトコンテンツの品質に関するポイントです。

  • AdSenseプログラムポリシーの遵守
  • 信頼性の高いコンテンツ提供
  • ユーザが使いやすいコンテンツの提供

前述した AdSenseプログラムポリシー の遵守は必須として、コンテンツの信頼性が重視されているように思われます。

単に日本語として正しく記載されていることだけでなく、情報の正しさを他の文献で保証するという意味でコンテンツからのリンク数を参考にしているのではないかという話もあるようです。
もちろん、サイトデザインによっては全てがリンク数の多いコンテンツになるとは限らないため、申請テクニックとして「(申請ポイントからみて)低品質なコンテンツを全て一時的に下書きに戻す」というものがあります。

また、最近はWordPressなどプラットフォーム側が勝手に対応してくれることも多いですが、ユーザフレンドリーなコンテンツであることも大事です。
このあたりはGoogle Search Consoleのモバイルユーザビリティなどである程度確認できるでしょう。

このサイトにおける申請時の状態

このサイトでは2020年1月からAdSense広告を利用していますが、申請時点では10記事に満たない記事数でした。ただし、このサイトの記事は総じて文章量が多い傾向にありますので、その点は特殊かもしれません。(申請時点の記事で見れば平均4000文字くらい)

申請は却下されることなく一発で通りましたが、その時点でやっていたことをまとめると、以下のようになります。

AdSense申請までにやったことリスト(メインサイト)
  • Googleサービス連携
    • Google Analytics
    • Google Search Console

Googleサービスとの連携も終えていたため、Googleから見ればある程度透明性のある状態になっていたのではないかと思います。

このサイトがWordPressであること自体はさほど関係はないと思いますが、技術的な仕様は以下の通りです。

サブサイト申請時の状態

このサイトほかにも、サブサイトである雑記ブログでもAdSense申請を通しています。
こちらは無料版のはてなブログですので、サブドメインとしての申請ですが、2サイト目なので既存アカウントへのサイト追加という形で申請を行っています。

こちらは申請が遅かったので記事数としては30ほどある状態での申請となりました。文字数ははっきり見ていませんが、このサイトよりは少なく、平均するとおそらく2000字程度だと思います。

AdSense申請までにやったことリスト(サブサイト)

を行っていた程度です。
メインサイトで通った後の申請ですので、そもそもハードルがそこまで高くないのかも知れません。

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これはポイントに含まれる?

その他、ネットで調べていると他の観点として

  • (WordPressの場合)有料テーマがよい
  • Amazonアソシエイトなど、他の広告類を外したほうがよい
  • コメントを無効化したほうがよい

などが挙げられていたりします。
私の考えとしては、これらによって即座に合否が変わるものではないという認識ですが、これらが指摘される背景にも審査のポイントがありますので少しコメントしておきます。

有料テーマにすべき?

まず1点目の有料テーマですが、これは必ずしも必要ではないです。
実際、このサイトは今でこそ有料テーマ(STORK19)を使っていますが、AdSense合格時にはUltrabootstrapという無料テーマを使っていました。
とはいえ、その状態でも問題なく合格はできているので、テーマが決定的な理由にはならないことがわかります。

もちろん、審査要件に「サイトの使いやすさ」が入っているため、有料テーマでナビゲーション機能などを充実させ、ユーザにとってわかりやすいサイト設計をすることはAdSense審査に対してはプラスに働くと思われます。

他社広告は外すべき?

次に、他社の広告を外すかどうかですが、これも必須の話ではありません。
Google公式でも AdSenseと他の広告ネットワークを併用する で他社広告との共存を一律に否定していないことがわかります。
Googleとして気にするのは適切な広告配置であり、その適切さの観点としては「独自コンテンツ」「広告媒体」のバランスがあるようです。

広告や有料の宣伝用資料は、配信するページのコンテンツよりも多くならないようにします。また、コンテンツは、ページを訪れるユーザーの関心に合った、価値ある情報を提供するものでなければなりません。そのため、ユーザーにとって価値がほとんどないページでの広告配信と広告の過度な表示は、修正が行われるまで制限または無効にされる場合があります。

広告のプレースメントに関するポリシー(AdSenseヘルプ) より

確かに、バランスの考え方からすれば、他社広告を外すことは効果がありますが、結局申請時のみならずAdSense利用中は常にその遵守が必要であるため、「ある日突然ポリシー違反で凍結!」とならないためにも、素直に他社広告も含めて申請しておくのが正しい姿であると思います。

コメント欄は無効化すべき?

3点目のコメント欄の無効化ですが、これも同様に必要なことではないものの、それを推奨する理由はあります。
ユーザー作成コンテンツの一般的な課題とその対策 で述べられていますが、不適切なコメントによってコメント欄を含めたコンテンツ全体が不適切なコンテンツとみなされる場合があるためです。

コメントの中でも、特に匿名コメントは自動スパムである場合が少なくありません。これらのスパムには、不愉快な表現や怪しげなサイトへのリンクが含まれており、サイトやアプリへの掲載を許可した場合、通常はプログラム ポリシー違反となります。

ユーザー作成コンテンツの一般的な課題とその対策(AdSenseヘルプ) より

なかなか世知辛い扱いではありますが、これを野放しにすることでコメント欄が意図せず不正コンテンツの温床となる可能性もあるため、サイト全体を不正コンテンツにみなす扱いとしているということですね。
そのため、本質的な対応としてはAdSense申請時に限らずコメント欄を無効化しておくか、スパム防止プラグインなどを導入して不適切なコメントが流入しないようにする必要があります。

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まとめ

Google AdSenseの許可条件は確かに具体的には公開されておらず、また審査落ちの際にもその理由が明確に開示されないため、試行錯誤を余儀なくされる面が多いと思います。

ただその一方で、申請者である私たちとGoogleの間でやりとりできる情報はそれほど多くありません。
ですので、コンテンツ流通を担うGoogleの立場と、その広告配信パートナーとなる私たちの関係性を踏まえ、Googleからこのサイトにコンテンツ配信をさせても大丈夫だと思ってもらえることが大事です。

そうした観点から、違法なコンテンツ/不正なコンテンツを配信していないことや、サイト運営者の情報が公明正大に公開されていることなど、「信頼に値するパートナーであることを示す」ことがAdSense合格に必要な側面だと改めて感じました。

もちろん、少ない記事数で合否を判断している点からも、ある時点でのAdSense合格をもって未来永劫信頼できるパートナーと思ってもらえるわけではないため、単に「AdSenseに合格する」ためだけではなく、「信頼できるパートナーであり続ける」ために、今回のポイントを定期的にチェックすることはAdSense利用者として大事なことだと思いました。

参考: AdSenseご利用ガイド

AdSenseに関する公式利用ガイドにあたるのがこのAdSenseご利用ガイドです。実際の利用の流れで解説動画がまとまっているため、利用までの流れを眺めたい場合には最適のコンテンツと言えるでしょう。

  1. AdSenseを申し込む前に知っておくべきこと
  2. AdSenseアカウントを作成して有効にする
  3. 最初の広告を掲載
  4. 支払いを得るためにアカウントを設定する
  5. 広告収益をトラッキングすることで収益を上げるヒント
  6. 新規サイト運営者様向けの動画

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