クレジットカードによる積立投資を比較してみよう(楽天/SBI/マネックス)

2018年の楽天証券から始まった「クレジットカードでの投資」は今や大手ネット証券会社全てでそのサービスが展開されるようになりました。

一通り出揃ったこともあり、各陣営のサービスを比較してみたいと思います。

クレカ積立とは

冒頭で紹介した通りですが、法改正によって2018年から有価証券の決済にクレジットカードを使うことができるようになりました。

積立に限ったものではありますが、1%のリターンが確実に得られるものとして人気を博し、2021年4月には設定口座数が100万を超えたことが発表されています。

先行したのが楽天証券でしたが、2021年に入ってマネックス証券とSBI証券も同様のサービスをアナウンスし、主だったネット証券会社にクレカ積立サービスが出揃いました。

厳密に考えると、クレジットカードは本人のお金ではなく、本人の信用によって一時的に手元にないお金を使う仕組みとなっています。そのため、自己資金以上の取引を行うレバレッジ取引のような側面があり、長らくクレジットカードを原資とした有価証券の取引が禁止されてきました。(金融商品取引法第44条の2

一方で、クレジットカードが若年層で特に決済手段として浸透していることもあり、若手層への投資浸透を狙う意味でも、「本人の安全を損なわない程度ならOK」という法改正(金融商品取引業に関する内閣府令第149条)があり、クレカ積立が実現したというわけです。
基本的には安全性を重視しており、クレジットカードで有価証券を買うのは最大で10万円までと決まっており、決済と支払の時差を考えるとクレカ積立サービスにおいては半分の5万円に制限されているというわけです。

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クレカ積立の比較

それでは、各社のクレカ積立サービスを比較していきます。簡単にまとめたのが以下の表です。
各社、投資信託の残高に応じたポイント還元サービスがありますが、商品によって微妙に条件が異なるので、比較のため eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) を代表商品として比較してみました。

なお、マネックス証券のクレカ積立については2021年5月22日現在でまだ詳細が発表されていないため、カードスペックからの類推となります。

証券会社対応カードポイント上限額積立還元率商品数残高還元率参考:残高還元率
(Slim S&P500)
楽天証券楽天カード楽天ポイント5万円/月1%2500最大0.12%最大0.12%
SBI証券三井住友カードVポイント
Tポイント
5万円/月0.5%2500最大0.2%0.0374%
マネックス証券マネックスカードマネックスポイント5万円/月1%1100最大0.08%0.03%

概ね横並びですが、少し差があるようです。順にみていきましょう。

楽天証券

比較した3社はどれも投資信託の保有によるポイント還元サービスが存在しますが、楽天証券は残高に一定の利率がかかるわけではなく、一定の残高ごとに一定のポイントが還元される仕組みです。

残高付与ポイント最大還元率(年率)
50~200万円50ポイント/月0.12%(50万円)
200~400万円100ポイント/月0.06%(200万円)
400~600万円150ポイント/月0.05%(400万円)
600~800万円200ポイント/月0.04%(600万円)
800~1000万円300ポイント/月0.05%(800万円)
1000~2000万円500ポイント/月0.06%(1000万円)
2000万円以上1000ポイント/月0.06%(2000万円)

一部のレバレッジ型ファンド等で対象外がありますが、基本的に全ての投資信託において上記のポイント還元があります。
他社では商品によって還元率が違ったりしますが、楽天証券においてはそれがなくわかりやすくはありますね。

具体的な還元率は表の通りですが、付与が段階的なので各区分における最小残高でポイント還元率が最大になります。とはいえ、日々価格変動する投資信託において残高コントロールするのは難しいので、「大体0.03-0.05%くらい還元されるもの」と思っておくのがよいでしょう。

SBI証券

SBI証券は3社において積立時のポイント還元率0.5%とやや低くなっています。対応カードも自社発行というわけではないため、そのあたりの協業コストが高く作用しているのかもしれません。
ただし、発行から半年間は1.5%のポイント還元となるスタートダッシュキャンペーンが実施されるようです。

その他、残高に対するポイント還元率は比較的高めに設定されています。

こちらは商品によって還元率が異なりますが、元々低コストなインデックスファンドにおいては概ね0.03-0.05%の還元だと思ってよいでしょう。

マネックス証券

マネックス証券は2021年5月から申し込みの始まった新しいマネックスカードを用いたクレカ積立となります。まだ詳細が公表されていませんが、おそらく1%の還元になるだろうと思われます。

こうして横並びで見た場合には投資信託のラインナップで見劣りしますが、基本的に人気のファンドは取り揃えているため現実的に困ることはないでしょう。

残高に対する還元は3社の中でやや低めとなっています。

特に、SBI・V・S&P500インデックスファンドはポイント還元の対象外なので注意が必要です。

選択のポイント

さて、そんな3社のクレカ積立ですが、それぞれの特徴を踏まえると選択のポイントは以下となります。

  • 単純な金銭的優位性
  • 主に貯めているポイント
  • 全部やる

それぞれ解説します。

単純な金銭的優位性

最もわかりやすい考え方は金銭的優位性に着目することです。

例えば、毎月5万円のSlim S&P500を積み立てたとする場合、各社における初年度の獲得ポイントは以下のようになります。

証券会社年間積立額積立還元ポイント残高還元ポイント総還元ポイント
楽天証券60万円6000ポイント/年150ポイント/年6150ポイント/年
SBI証券60万円3000ポイント/年121ポイント/年3121ポイント/年
マネックス証券60万円6000ポイント/年97ポイント/年6097ポイント/年

このように、単純な金銭優位性では楽天証券が優勢なことがわかりました。

なお、ポイント還元は投信残高によっても異なるので、例えば1000万円あるとするとこのようになります。

証券会社年間積立額投信残高積立還元ポイント残高還元ポイント総還元ポイント
楽天証券60万円1060万円6000ポイント/年6000ポイント/年12000ポイント/年
SBI証券60万円1060万円3000ポイント/年3861ポイント/年6861ポイント/年
マネックス証券60万円1060万円6000ポイント/年3097ポイント/年9097ポイント/年

まだ楽天証券が強いですね。

お分かりのように、楽天証券は残高に対する還元が2000万円で頭打ちになるので、最終的には残高が4000万円を超えたあたりでSBI証券がもっともポイント還元に優れるようになります。

  • ~2000万円:楽天証券
  • ~4000万円:マネックス証券
  • 4000万円~:SBI証券

という感じです。絶妙なバランスですね。

主に貯めているポイント

上記の通り、確かに金銭的有利性で優劣はつきますが、楽天ユーザではない場合、「楽天ポイントをもらっても…」と感じる方もいるでしょう。

そうした場合には普段使っているポイントを踏まえて選ぶことになりますが、各社獲得できるポイントと、公式に交換手続きができるポイントは以下の組み合わせとなります。

証券会社ポイント交換先
楽天証券楽天ポイントANAマイル
SBI証券TポイントANAマイル / JRキューポ
VポイントANAマイル / dポイント / Amazonギフト券 / Tポイント / 楽天ポイント / Pontaポイント / VJAギフトカード
マネックス証券マネックスポイントANAマイル / JALマイル / dポイント / Amazonギフト券 / Tポイント / Pontaポイント / nanaco / WAON / 永久不滅ポイント

他ポイントへの交換先が多彩なのはマネックスポイントでした。
Vポイントも多彩といえば多彩なのですが、元々クレカ積立からVポイント、投信残高からTポイントが出てくるため、扱いは一番面倒かもしれません。

また、楽天ポイントは交換先がANAマイルしかなく、最も選択肢に乏しいポイントでした。
とはいえ、楽天ポイント自体が4大ポイントの一角であるため、交換する必要性は低いでしょう。

そのように、自分がメインで集めいているポイントを起点にすれば、

  • 楽天ポイント:楽天証券
  • Tポイント:SBI証券
  • Pontaポイント:マネックス証券
  • dポイント:マネックス証券

という感じになるでしょう。

全部やる

「選択のポイント」と言いながら卑怯ですが、どれを特に選ぶことなく、全部やることも可能です。
クレカ積立の仕組みは本人と金融機関の間での規制によるので、金融機関が複数あること自体は問題ありません。

なので、毎月15万円あれば全ての証券会社で積立を行い、フルでポイント還元を得られるというわけですね。
(もっとも、そこまで入金力がある方は稀だと思います…)

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まとめ

今回は各社に出揃ったクレカ積立のサービスを比較してみました。
細かな違いはあるものの、それぞれに一長一短がある結果になっていたかと思います。

基本的な考え方としては、「楽天ポイント/楽天カードを使っているなら迷わず楽天証券」というだけで、他のTポイントやPontaポイント、dポイントユーザにとっては少し悩ましいところかもしれません。

こうしたクレカ積立の動きの基本的な背景は「積立を通じて長期顧客を獲得する」ことにありますので、各証券会社としてはこれを理由に移ってきてほしいところだと思いますが、比較的各社横並びであるため年間数千ポイントのために証券会社を移行するかと言われると、そこは人ぞれぞれの考えがあるでしょう。

いずれにせよ、高々1%とはいえ年間数千ポイントが得られる仕組みですので、最適ではないとしても、まずはどこか身近なところでクレカ積立を利用するとよいでしょう。

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参考情報

こうして得られたポイントの活用先として、1ポイント1円で消費していく方法もありますが、最近ではポイントを投資に使えるところも増えてきました。

以下の記事ではそうしたポイント投資サービスを比較しています。