私に限らず、皆さんいくつかのクレジットカードをお持ちかと思いますが、ゴールドカード以上の維持費がかかるカードの選択はいつも悩ましいものです。
各カードで年会費を取るだけの付加価値は謳っているものの、使い倒して初めてメリットが出てくるものもあるため、あれもこれもとはいかないのが現実です。
今回はそうしたカードについて、私が現在保有しているAmazonゴールドから、dカードゴールドに乗り換えるメリットが自分にあるのかと考えてみたいと思います。
Contents
結論
先に結論を書いておきます。
以下に該当する場合、Amazonゴールドよりも、dカードゴールドを利用するほうが金銭的にメリットがあると言えます。要するに「ドコモユーザであればdカードゴールドが有利」という内容ですね。
ドコモユーザがゴールドカードを持ちたいとした場合、基本的にはdカードゴールド有利であるためこうなります。
- 機能性要望
- ゴールドカードを持ちたい
- Amazon Primeを使いたい
- ドコモのケータイ補償を使いたい
- 必須条件
- ドコモの携帯を利用している
- ドコモのケータイ補償サービスを個別に契約している
- 推奨条件
- 東京電力のガスを利用している
かなり狭いですね。ほとんど私のことです。
しかし、Amazon Primeの契約を前提としてゴールドカードを持ちたいとした場合、Amazonゴールドがとても有力になりますので、考えるのがややこしくなっているというわけです。
検討のきっかけ
今回考えたいのは「一般的にどのゴールドカードがお得か」ということではなく、あくまで自分の利用特性を考えた上で、どちらがお得なのかということです。
そのため、改めて今回の比較を考えるきっかけを整理しておきたいと思います。
ゴールドカードの保有
現在、私はAmazon Mastercard ゴールドを保有しています。
元々、旅行保険の付帯を目的として、1枚くらいはゴールドやプラチナカードがあっていいと思っており、何で作るかということを考えていました。
ゴールドカードとはいえ、普段のライフスタイルに合ったものでなければただ保険料としての年会費を払い続けるだけになってしまうため、ライフスタイルから自分にあったゴールドカードを探すことにしました。
詳しい検討は割愛しますが、Amazonは自分でもよく使うものであったことと、別途契約しているAmazon Primeがカード契約に付帯することから、「年会費が実質タダ」のような状況になっており、最もお得だと判断してAmazonゴールドを選択しました。
主なポイントを整理すると以下のようになります。
(一部選択当時と異なるものがあります)
- 保有コスト
- 年会費:11,000円(実質4,400円)
- マイ・ペイすリボ設定で5,500円引き
- WEB明細書サービス設定で1,100円引き
- 年会費:11,000円(実質4,400円)
- 保有メリット
- ゴールドカードが持てる
- Amazon Prime(年4,900円)が付帯
- Amazon利用で高いポイント還元が得られる
- 通常時2.5%
- セール時最大7.5%
というわけで、実質4,400円の年会費で、4,900円のAmazon Primeとゴールドカード手に入るという状態でした。これはお得ですね。
dポイントへの集約
そんな中で、2019年4月頃個人的にポイント整理を行い、dポイントに集約するようにライフスタイルを変更しました。変更といっても、普段行くお店を変えずに、出すポイントカードや決済方法を意識的にドコモ系にまとめたというようなものです。
非接触決済をSuica主体からiD主体に変更したり、ローソンをはじめとしたポイントカードをdポイントカードにするといった内容ですね。
2019年11月からはさらにファミリーマートでもdポイントカードが使えるようになりましたから、かなり集約率が上がってきたように思います。
また、それまで様子見で使っていなかったコード決済としても、d払いをこのあたりから使うようになりました。
Amazonは元々T/P/d/Rといった4大ポイントとの関連が薄かったため、あまり気にしておらず、Amazon決済専用カードとしてAmazonゴールドを利用してきたのですが、このとき決済方法にd払いを加えたことで、Amazonにおいてもdポイントを獲得することが可能になりました。
一方で、基本還元2.5%であることと、キャンペーン時最大7.5%であることから、「AmazonではAmazonゴールド」という関係性は崩れるものではないと考え、基本的には構成を変えずに利用していました。
d曜日キャンペーン
しかし、dポイントのキャンペーンを調べていくと、ポイント還元率を底上げするキャンペーンがいくつかあることを知りました。
一過性のものも多くある一方で、d曜日キャンペーンについては「毎週金・土での利用分に+2%還元がつく」というもので、通常のカード還元と合わせて3%の還元が最低限得られる状況となっていました。
確かに、Amazonゴールドで最大7.5%のキャンペーンがあるとはいえ、キャンペーンがいつ開催されるかわからない状況では、平時の2.5%還元で利用することが多くありました。
そうであれば、毎週金・土と固定的であっても、3%の高還元が得られるdポイント戦略のほうが利便性と結果的な金銭メリットが大きいのではないかと考えたわけです。
dポイントスーパー還元プログラムの変更
もう一つドコモで大きく注目されるキャンペーンであるdポイントスーパー還元プログラムは、ドコモサービスの利用状況に応じ、d払いやiDの利用に対して還元率を上乗せするというものです。
サービス名 | 条件 | 還元率 | 該当状況 |
---|---|---|---|
dポイントプログラム | プラチナステージであること | +1% | ○ |
ドコモ料金払い(dカード) | ドコモ料金をdカードで支払っていること | +1% | ○ |
dマーケットサービス | 対象サービスのいずれかを契約/利用していること | +2% | ○ |
いちおしパック | いちおしパックを契約していること | +1% | |
DAZN for docomo | DAZN for docomoを契約していること | +1% | |
Disney DELUXE | Disney DELUXEを契約していること | +1% |
というもので、私は+4%の還元率アップができていました。
コード決済での還元競争が落ち着いた中で、カード還元を含めて5%の還元が安定的に得られるのは非常に魅力的であったため、このプログラムの維持はポイント戦略において重要なものでした。
しかし、上記のdポイントスーパー還元プログラムが、2020年5月10日から、以下のような還元判定へと変更されることになりました。
サービス名 | 条件 | 基準 | 還元率 | 該当状況 |
---|---|---|---|---|
dポイントプログラム | プラチナステージであること | – | +1% | ○ |
ドコモ料金払い(dカード) | ドコモ料金をdカードゴールドで支払っていること | – | +1% | |
dポイント獲得回数 | 前月の回数に応じて判定 | 50~99回 | +0.5% | |
100回以上 | +1% | |||
d払い等決済額 | 前月の決済額に応じて判定 | 20,000~49,999円 | +1% | 〇 |
50,000円以上 | +2% | |||
dカード請求額 | 前月の請求額に応じて判定 | 100,000~199,999円 | +1% | |
200,000円以上 | +1% |
というわけで、全体的に考え方が大きく変わりました。
現行が「ドコモサービスをどれだけ使っているか」の考え方でしたが、変更後は「ドコモ圏でどれだけお金を使ったか」という観点で還元優遇をするようになったように見えます。
現時点でのライフスタイルを踏まえると、おそらくは+2%程度に収まるのではないかというところで、現在の+4%からダウンしてしまうことになります。
さらに、これまで獲得できていたドコモ料金払いについてもしれっとdカードゴールド限定となっており、ここでも+1%を失ってしまいました。
このことがあり、dカードゴールドへの変更を真面目に考え始めることになりました。
とくとくガスAPプラン
そして、これが最後の後押しになったのですが、Amazonゴールドのメリットである「割安にAmazon Primeが手に入る」ということが、東京電力のガスプランでも得られることがわかりました。
東京電力でガスを契約する際、とくとくガスAPプランというものが選べるのですが、要するに何かと言うと
- Amazon Primeの無料コードがついてくる
- Amazon Prime分を除いたガス料金換算で、年あたり1,000~2,000円程度お得になる
というものです。加入特典で3,000円のAmazonギフト券が得られるなんてのもあります。
具体的な比較
きっかけを長々と述べてしまいましたが、要するに現在はAmazonゴールドによって割安にAmazon Primeを調達しているわけですが、ガスプランからAmazon Primeが調達できるなら、dカードゴールドと合わせてAmazonゴールドにこだわる必要がないのではないか?と考えたのがきっかけです。
これまで | これから? | |
---|---|---|
ゴールドカード | Amazonゴールド | dカードゴールド |
Amazon Prime | Amazonゴールド | とくとくガスAPプラン |
というわけで、観点を揃えて具体的に比較をしてみましょう。
カード諸元
まずは、単純にゴールドカードと見た場合の機能比較をしてみましょう。
Amazonゴールド | dカードゴールド | |
---|---|---|
年会費 | 11,000円 | 11,000円 |
国際ブランド | Mastercard | VISA / Mastercard |
基本還元率 | 1% | 1% |
提携店還元率 | 2.5%(Amazon) | 2~4%(dカード特約店) |
海外旅行保険 | 最大5,000万円 | 最大1億円 |
国内旅行保険 | 最大5,000万円 | 最大5,000万円 |
ラウンジ利用 | あり | あり |
ショッピング補償 | 最大300万円 | 最大300万円 |
コンシェルジュ | なし | なし |
その他 | Amazon Prime会員権付属 マイ・ペイすリボ設定で年会費5,500円引き WEB明細書サービス設定で年会費1,100円引き | ドコモ携帯料金払いに対して10%還元 ドコモ携帯補償(最大10万円) 年間利用額に応じたクーポン贈呈 |
こう見ると、海外旅行保険の部分など、カード性能そのものとしてはdカードゴールドのほうが優れているように見えます。
しかし、マイ・ペイすリボの割引など、実質的な維持コストを抑える観点ではAmazonゴールドが強そうですね。
また、もうひとつ目に付くのがdカードのドコモユーザに対する優遇です。
特に大きいのがドコモ携帯料金の10%がポイントとして還元されるというものです。
私は概ね月6,000円ほど携帯料金を払い続けているので、年間7,200ポイント程度が還元されることになります。加えて、ケータイ補償サービスとして月500円課金しているのですが、カード付帯の補償で代替できるなら、そちらからも年6,000円の節約になります。
金銭的な試算
カード性能としてはdカードゴールドが優れていることがわかったので、あとは要するに金銭的メリットがあるかどうかということです。
というわけなので、以下の条件で試算をしてみましょう。
- 達成すること
- Amazon Prime利用ができること
- ゴールドカードを保持していること
- ケータイ補償ができること
- 条件
- 月3万円のAmazon利用
- さらに年6万円分のAmazonセール利用
- 以下を除く、Amazon以外での利用は原則考えない
- 月6,000円のドコモの携帯料金
- 月15,000円の東京電力の電気+ガス料金
以下、実際に支払うお金を考えるため、手出しのお金をプラス表記、還元や割引をマイナス表記で比較したいと思います。
Amazonゴールド | dカードゴールド | 備考 | |
---|---|---|---|
カード年会費 | +11,000円 | +11,000円 | |
Amazon Prime年会費 | 0円 | +4,900円 | Amazonゴールドはカードに付帯 |
ケータイ補償 | +6,000円 | 0円 | dカードゴールドはカードに付帯 |
カード年会費割引 | -6,600円 | 0円 | |
とくとくガスAP割引 | 0円 | -2,000円 | |
Amazon利用還元 | -9,000円(2.5%) | -10,800円(3.0%) | |
Amazonセール還元 | -4,500円(7.5%) | -3,600円(3.0%) | |
その他還元 | -2,520円(1.0%) | -9,000円(10%+1.0%) | dカードゴールドはドコモ携帯料金の10%を還元 |
計 | -5,620円 | -9,500円 |
ということになりました。
dカードゴールドのほうがわずかにお得そうに見えますね。
まぁ、お得と言えばお得なのですが、ここまで考えて年4,000円程度の差かと思わなくもないです。
とはいえ、dカードゴールドにすることで、スーパー還元プログラムの還元率も上がるわけなので、この表の外側でも有利な点が生まれることを踏まえれば、十分乗り換えるメリットはあると考えられます。
まとめ
様々なキャンペーンなどを駆使することも含めると、よく言われているように、ドコモユーザがdカードゴールドを使うメリットは非常に大きいと言えそうです。
今回の金銭的メリットを考える中では、
- ドコモの携帯料金を支払っている
- ドコモのケータイ補償サービスを利用している
ことが損得に非常に重要な要素をもっていました。
しかし、お気づきの方もいるように、そもそも金銭的な側面で節約を望むのであれば、ドコモ携帯で月6,000円も支払わず、格安SIMで高くても月3,000円に抑えるなどすれば、それで全てが吹き飛んでしまう損得です。
既にドコモユーザ歴16年目となりましたが、どうにもドコモに愛着が湧いてしまい、金銭的に不合理だと分かりつつも格安SIMに移れない自分を改めて認識する結果になりました。
(おかげさまで、電波状況や通信速度で他社よりも悩んだことはないんですけどね…コスパは低いとは思いますが、高品質なのは間違いないと思います)
一度契約してしまうと、条件や状況の変化があったとしても中々乗り換えを考えることはないクレジットカードですが、一念発起して考えてみると、新たなプランが浮かんでくるかもしれませんので、たまには保有カードの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
参考
今回はかなり検討条件を強く置いていますが、特に条件を限定しすぎずクレジットカードを検討したい場合はこちらをご覧ください。
また、今回はクレジットカードにありがちな基本還元率を重視しない比較をしています。
基本還元率の面では、Sony Bank WALLET(1.5%)+Kyash Card(1.0%)の組み合わせで基本2.5%を常用できているため、あまりその点をゴールドカードに背負わせる必要がなかったためです。Kyashを用いた高還元の仕組みは以下を参考にどうぞ。