「SEOとはGoogle検索に最適化すること」と言われるほど、Google検索はインターネット上の情報流通に支配的な影響力をもっています。
そのため、SEOについて調べると「どうやってGoogleに見つけてもらうか」という視点になっていることがほとんどです。
しかし、Googleには検索にかける思いがあり、検索で見つかるようにしたい情報があります。その観点から、「Googleがオススメしたくなる情報とは何か」ということを考えてみましょう。
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SEOとは
今さら言うまでも無いのかもしれませんが、SEOについて基本を押さえておきます。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語では検索エンジン最適化と呼ばれます。
インターネットで流通する情報は、今やそのほとんどが検索エンジンを介して閲覧されていると言っても過言ではありません。
そのため、インターネット上でうまく情報を流したいと思うとき、「どうやって検索の上位に表示させるか」ということが非常に重要になってきます。
そうしたために、インターネットを通じてビジネスを行う際にはSEOが重要だと言われるわけです。
一般的なSEOという意味では、Google検索に限りませんが、実質的に検索エンジンはGoogle1強の状況であるため、以下ではGoogle検索を念頭に置いて考えます。
「検索の上位に表示される」とは何か
先ほど確認したように、SEOの目的は「検索の上位に表示されること」だとわかりました。
しかし、Googleの検索エンジンは、検索に対してどういう情報を上位に表示しているのでしょうか。
当然ながら、その具体的なアルゴリズムがわかってしまうと、それこそ恣意的なSEOが発生してしまうため、正確な検索アルゴリズム公開されていません。
しかし、Googleという企業が何を目指しているかという使命は、以下のように公開されています。
この中で、最も大事なことは「使える」という部分です。
特に、「アクセスできて使える」と言っている以上、表示されるだけではないというところがポイントです。
アクセスと使えることに差をつけると考えたとき、違いは何かと言われれば、私は「本人にとって有用であるか」ということだと思います。
そうしたGoogleの使命を考えれば、人が何かを知りたいと思い、Google検索を行った結果、その情報を「使えて」ほしいわけです。
つまり、最もアクセスされやすい検索上位の情報の中に使えるものが含まれることが、Googleの使命からすれば最も理にかなっていることになります。
Googleがオススメしたくなる情報
これを踏まえて、Googleがオススメしたい情報が何かを考えると、
- 情報が整理されていること
- 検索者からアクセスできること
- 検索者にとって有益な使える情報であること
ということになります。
中でも、最終的に目的の成否を決めることになる、「有益な使える情報」という要素が最も大事になるでしょう。
その「有益で使える」という観点も人によって異なるため、検索者の意図を可能な限り汲んで、検索者の願いに適うように結果を表示する必要があります。
そうしたことから、多くのSEOテクニックでも「検索者が本当に欲している情報を理解し、その欲求に応えられるようにする」ことを指南してます。
Google検索の方針
使命と同じように、Googleでは検索の方針を公開しています。
この方針を知ることで、Googleが見つけたくなる情報のヒントが得られるかもしれません。
世界中の人々が Google 検索で情報を見つけ、興味のあることについて学び、重要な意思決定を行っています。Google のサービスは人々の生活を支えるものであり、私たちのコミットメントが揺らいでしまうようなことがあってはなりません。テクノロジーは進化し続けますが、Google は、情報を検索するユーザーの皆様を将来にわたって支援し続けます。Google は、以下の方針に基づいて検索サービスを提供します。
検索に対するGoogleの方針 より
この方針に続いて、いくつかの観点を述べていますので、SEOに関わりそうな部分についてそれぞれ見ていきましょう。
関連性と信頼性が最も高い情報を提供する
1つ目は関連性と信頼性の観点です。
検索者にとって有益な情報を提供する観点では、やはり「検索キーワードに対して関連性と信頼性が高い情報」が重要であるということを真っ先にGoogleが述べています。
関連性の高さを測るためには、そもそも検索の意図を理解する必要があります。
私たちも利用者として検索を行いますが、最初大きなキーワードで雑な検索を行いつつも、意図に反して有益な情報が出てこなければ徐々にキーワードを増やして、より具体的な意図をGoogleに伝えていますよね。
このように、意図が明らかになればなるほど関連性は高めやすくなりますし、情報を提供する側としても、意図に沿うコンテンツを設計しやすくなるという関係があります。
このことを考えると、Googleの使命に沿うことを考える場合、コンテンツ提供者として「〇〇という意図を持つ人にとって、最適な情報を提供する」ことを考えれば、Googleは使命に従って検索者をその情報へと誘導してくれるということです。
情報アクセスの機会を最大化する
2つ目は、アクセスの最大化です。
Googleの使命そのものにも「世界中の人たちがアクセスできる」という内容が含まれていますが、「アクセスの機会を最大化する」という意味では、
- アクセス手段の提供
- Google検索、Google Chrome、Android OS、Chrome OS
- アクセス機器の提供
- Google Pixel、Chromebook
- アクセスインフラの提供
- Google Fiber、Project Loon
など、たしかにアクセス機会が国や地域によらず得られるように、Googleは多様な事業展開を行っています。
日本ではあまり馴染みがないですが、いわゆるISP事業としてのGoogle Fiberであったり、気球でインターネットインフラを整えようとするProject Loonなどもこの観点での使命にかなった展開と言えます。
元々の使命として「有用な情報にアクセスできるようにする」というものがありますから、有用な情報さえ用意しておけば、Googleがあの手この手でアクセス経路を切り開いてくれる、というポイントだと個人的には思っています。
アクセスの最大化とSEO
そうしたことを踏まえて、SEOの観点で考えることがあるとすれば、「ドメインの強さ」を気にするかどうかということですね。
ブログなど、情報発信のプラットフォーム開設を考える場合、ポイントになるのが「どこで開設するか」という話です。もちろん、利用料がかかる/かからないという話もあるのですが、開設場所によって、そのプラットフォームの集客力の恩恵に与れるというメリットが謳われたりします。実際にその観点で検索してみると、
はてなブログははてなブックマークに載る可能性が非常に高くアクセスを集めやすいブログです。ぶっちゃけチートだと思います。
はてなブログPROで独自ドメイン取って1ヶ月後の変化と取得時にやることリスト(心に火を指先にペンを) より
そうなりますとSEOは重要なのですが、先にも書きました通りはてなブログはSEO観点で最強、完璧なわけではありません。2011年からSEO意図の改善は大量に行われていますがタスクは増え続けますので消えたことは一度もありません。改善すべきポイントはいくつも残っています。
しかし検索流入に大きく影響する要件や、Googleが公式に推奨する要件は早々に対処され続けています。
この8年間でも検索エンジン側の仕様が変わることで、明らかに検索流入で大きく不利になりえる変化が何度かありましたが、はてなブログではそれらの影響が出る前に改善されていますし、小さな影響もほとんどは気づかれる前に対処されています。
SEOに最適なブログとは?私がWordPressからはてなブログに移転してきた理由(web > SEO) より
というように、はてなブログを筆頭に、「プラットフォーマーのSEOに乗っかる」ことの価値が認識されているようです。
上記のように、プラットフォーマー自身も、短絡的にはPV数を高めること、本質的にはGoogleと同じように「情報が届きやすくする」ために、Googleに対するSEOをプラットフォームの仕事として行っているわけです。
専業のコンテンツ提供者として、SEOをはてなブログなどに負けないレベルでチューニングを極めるのであれば気にすることはありませんが、ほとんどの場合であれば個人で到達できるSEOレベルよりも、プラットフォーマーのSEOレベルのほうが高くなるのではないでしょうか。そうした意味で、「ドメインの強さ」を気にするのは合理的な判断に思えます。
コンテンツプラットフォームを使うかどうか
ここで改めて何を考えていたのかというところに立ち戻りますが、発端は「コンテンツ提供者としてコンテンツアクセスを最大化したい」ということでした。
アクセスの最大化を考えたとき、SEOが重要な要素ですし、検索エンジンとして重要なのは特にGoogle検索だという関連です。
そして、そういったSEOを強く意識してプラットフォーマーがチューニングをしているからこそ、プラットフォーマーに乗っかることが合理的だと、そういう話の流れだったわけです。
しかし、このサイトがそうであるように、私自身はプラットフォーマーに乗っかることを選択していません。理由としては、
- ブログ作成の自由度を高めたかったから
- 有用な記事であれば、プラットフォームによらず発見されるから
の2つです。
ブログ作成の自由度
1点目は、単なる個人的な趣味というのもありますが、よりよいコンテンツ作成を目指したかったからですね。
私はITエンジニアとして働いていますので、元々Wordpressに理解がありましたし、仕事にしていることからも、「こういう表現ができないか」と思うことが多かったです。
そのように、アイデアを思いついてしまったにも関わらず、プラットフォームで機能制約を受けることがどうしても気になってしまい、必要なプラグインを探して自由に入れられる、独自ブログを選択したわけです。
一方、そのトレードオフとしてドメインの強さを捨てる選択をしています。
当然、開設当初からこれまたIT趣味の一環としてSEOの勉強をしつつ、その成果としてブログ収入を得たいと考えていました。収入はアクセス量と密接に関係しますので、ドメインの強さはのどから手が出るほど欲しいものであるように思います。
しかし、プラットフォーマーによっては広告設置についての制約を規定していたりしますし、違反によって無慈悲にアカウント凍結になるようなリスクも気になりました。そういった、生殺与奪をプラットフォーマーに委ねることをよしとしなかったことも選ばなかった理由になっています。
有用性への集中
また、2点目の「有用な記事であれば、プラットフォームによらず発見される」という点については、次のように考えています。
自身の感覚としてもあるのですが、様々な情報を得る場合、特に時事ネタでないような長期的に有用な内容についてですが、そうしたものはむしろ独自サイトだったりすることも多いという実感がありました。
そうした経験もあり、「有用なコンテンツであれば、ドメインに関係なくGoogleが評価してくれる」という信頼が自分の中にあったわけです。
そう思ったときに、短期的にドメインの強さによって集客の恩恵があるかもしれないと思う一方で、長期的にはドメインに関係なくコンテンツが有用か否かの勝負でしかないと感じました。
やるからには力をかけていこうと思っていましたし、本来やるべき「有用なコンテンツ提供に集中する」意味でも機能自由度は重要だったこともあり、結果的にドメインの強さを気にしませんでした。
同一ドメインの制約
また、これは今回調べていてわかったのですが、「プラットフォーマーに乗っかると、内部競争がかえって厳しくなる」ということがあるようです。
2019年の6月、Googleが検索結果表示についてポリシーを変更したことが話題になりました。
端的に言えば、この変更は「同一ドメインからの結果が2つ以上検索トップに表示されない」ということのようです。
公式のツイートにもあるように、変更目的について「検索結果にさらなる多様性をもたらすため」と述べられています。
この「同一ドメイン」には、サブドメインも含まれるようですが、サブドメインで個人アカウントを区切っているようなプラットフォーマーにおいては、「とある検索に対して、このプラットフォームから選ばれる検索トップの結果は1つ」という内部制約を生むことになっているようです。
まとめ
今や最も強力な検索プロバイダであるGoogleですが、検索の上位に表示されるような「Googleがオススメしたくなる情報」を考えると、つまるところ
- 検索者にとって有益な情報であること
であることがわかります。
ドメインの問題から、そもそも見てもらえないと意味がないという観点はありますが、自らGoogleへサイトマップを提出することもできますし、強力なGoogleクローラーが日々新たな情報を探し回っているため、むしろGoogleの目に留まらないほうが難しい状況になっています。
そうした中で、検索クエリを予想し、検索者の意図を正確に押さえた上で、有益な情報を示しているのであれば、Googleはその使命に従って、その情報を検索上位に配置してくれるということです。
SEOのテクニックとして、ひたすら見た目上のインパクトを求めるような話もありますが、Googleに対するSEOという観点で思えば、より本質的には「目に留まりやすいインパクトのあるもの」というよりは、「検索者の意図に沿う、有益なもの」を目指すべきだということになります。
検索者の意図を見出すことについては、キーワードプランナーを使ったり、Google検索のアルゴリズムを詳しく分析する方法もありますので、それはまた別途記事にしたいと思います。